新美、卒展

    卒展の、部外者だったり門外漢(そのうち門外者とか門外人とかに変わるんでしょうか)にとってのいいところは、絵画やら彫刻やらを大量に見られるというところです。毎年のように申しておりますが、新美で五美大合同で開催されるので、とてもお手軽です。なんといっても公募展用8ホール開催です。ありがたい。

   たとえば日展だとか誰かの特集展だとかであると、静物画が多いだとか抽象画が少ないだとか、あるいはカラスしか彫っていないだとか、そういう特徴があります。

    私の感覚では、美大の卒展はおおむね抽象画だとかアイデンティティめいたものが多くて、色使いがなんというかサイケめいていたり(だからといってひどい組み合わせになっていないところがさすがというかなんというか。私がまねをしたら、たぶん、ひどいことになる)、ここが一番嬉しいところで伝統からポップまでが一箇所に揃っている。鯉の襖絵の隣ではぬいぐるみが大行進、そんな空間。

   

   ユーモアとか諷刺とかも見所。メルケルとトランプがネゴシエートしている場面を書いたものがあって、これを描くのかぁと。なにゆえそこを選んだのか。

   私としては、今年はいい感じの版画がえらくまとまっていたのが嬉しかったので、版画の当たり年でした。