映画「帰ってきたヒトラー」
見る機会を逃し続けていたらたいぶ時間が経ってしまいました。
一番の妙手はドキュメントルポルタージュ風の作りにした点だと思うのです。小説はヒトラーによる一人称なので、文字では良くても、映像と音がくっついてくる以上、ブラックユーモアにするためには視点を変えた方がいいのでしょう。そしてそれは妥当だと納得できます。
何回もあるインタビューもそうですが、番組作りの打合せのシーンなどは、たぶん照明もそう見えるように寄せて撮っている(はず)。リアクターや町の人々を出すという方向からも、やりやすいつくりでしょう。
現実に沿った政府要人たちを登場(引用)する点からも、そのほうがいい。
珍道中にはポルカが流れるし、ブルーノガンツ演へのオマージュも仕込んで笑いのポイントもばっちり。ミス・クレマイヤーの造形は完璧であり、アウシュビッツパックツアー星1はずるい、あの流れとタイミングで出すのはずるい。