虚言

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首尾一貫しない一つの虚言が首尾一貫した虚言に敗れたにすぎないのだ。

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 文脈をまるっと投げ捨ててもこの一節はとても引用したい便利なものだと思います。そして、なにかある度に引きたい。

 誰が書いたのかというとヴェイユで、冷徹と諦観が混ざってもなお簡潔な一節で、じつにヴェイユらしい。

 

 

 『根をもつこと』(山崎庸一郎訳)春秋社、p319