トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』高里ひろ・訳、みすず書房、2019

 読み終えて思い返せるポイントをぶっこ抜くと、

・「左利きの殺人鬼は証拠だが、右利きの殺人鬼は例外」

・間違った民主主義(専門家の意見も素人の意見も等価なひとつの意見である、など)

・証拠がないことが証拠(陰謀論の柱。反証性という要素)

・専門家も間違える(が、素人が間違える割合とは比較にならない。であるにもかかわらず、一事が万事。無謬信仰)

 あたりでしょうか。

 メディアやインターネットの影響についても何度も検討されます。

 

 それはそれとして、私は「ヒップ」をそのまま「ヒップ」とし、「ネット弁慶」(たぶん、原書ではインターネットタフガイとかだと思われます)に置き換えるという基準が気になります。

 hip(=:cool。おしりじゃない)をまるっと置き換えるのは難しいですけど。