『雪が白いとき~』『狼と香辛料』
ジャンルものとして現れてしまうものはどうやってつきあえばいいものなのか。
陸秋槎『雪が白いとき、かつそのときに限り』早川書房
ミステリー。特に、現代のミステリー(の流儀、作法、型、枠)。クリスティーはすごかったのだなと実感する。
読み終わったあとに検索してみたら、どなたかが「エモ全振り作品」との感想を書いていて、まあ、その通りだと思う。
ライトノベル。
springlogのなにか1冊を前に読んだ時も思ったものの、なんと言い表せばいいものかとあぐねいていて、良し悪しではなく、かったるい文章というが妥当かもしれないと思いつく。全帯域を使って圧縮していない情報をベタ送信しているような感じ。ライトノベルはそういうものなのだ。
すこし前に、本が家にたくさんあっても、子どもが読める平易なものがないと子どもの読解力が云々というのが流れていたのも思い出した。そして、コロナウイルスのあれこれで、児童書やらマンガやらがオンラインで無料解放されるようになったのを見ていろいろと思いもする。曲芸じみた文章や言葉の連なりは、地続きであってこそのものなのだろう。