大谷崇『生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想』星海社新書

 大谷崇『生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミストシオランの思想』星海社新書
 

 

 だいぶ前に、なにかで話題になっていたのを見かけて、先々月ぐらいに読んだ。シオランは、名前は聞いたことがあったような気がする、という程度。

 一通り読んだ(シオランについての)感想というか印象というかは、悪くはないけどよくはない、かつ、靴を履いたまま足の裏を掻いているようなもどかしさ。これは言葉を選んでいる。

 なんだってそんな印象になったのかと考えるに、要素は似通っているところがあるヴェイユを先に知っているからだろうというのが一つあるだろう。似通っているのに、これほど真逆を向いているというのはおもしろい。

 

 ジューベールもヴェイユシオランも断片を大量に残しているが、体系として整った文章はヴェイユだけで、そのあたりの違いが取り扱い方の違いにもなるのだろう。

 ウニベルシタスに『異端者シオラン』という評伝がある。