物名、雑

 

     ぞうと打って雑が順位の高いところに出ないというのが同音異義と変換を駆使する言語のつらいところだと思います。辞書登録しなければ出ないということにはなっていないのがありがたい。  

    

    またぞろ古今集を読んでいます。季節だの恋だのが主流であることに異論はありませんが、近頃は物とか雑とかあたりが、たいへん興味深い。物名などは、部立てのとおり、名称を詠み込むので、なかなか曲芸に近い技巧歌がわんさかと載っている。

     雑もしかりで、「おたかくとまった古今集」というようなイメージを粉砕するに充分な歌が沢山ある。