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稲垣良典『トマス・アクィナス『神学大全』』

稲垣良典トマス・アクィナス神学大全』』講談社学術文庫

 

 第五章が「「悪」の問題」というもので、誤解を招くような言い方をすると、じつに神学らしい思考の仕方が垣間見られます。適切な使い方をすれば、とてもいい方法です。

 

 存在は善であり、善の欠如が悪であり、故に、存在の欠如が悪である。悪は虚無。というところから善についての検討を深めて悪というものを解釈する章。そんなかんじです。肝心なのは、善と悪とは等位ではないというところで、等位とみなすのは善悪二元論であるというところでしょう。これは、キリスト教と相性の悪いグノーシス主義マニ教の立場で、神学としてはあくまでも善一点のみから悪を取り扱う。これをごちゃまぜにすると泥縄。